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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻1号

1993年01月発行

文献概要

研究

椎骨動脈・後下小脳動脈分岐部巨大動脈瘤に対する治療的椎骨動脈閉塞術の効果—脳血管流体モデルによる血行動態の検討

著者: 長安慎二14 菊池晴彦1 長澤史朗2 大槻宏和3

所属機関: 1京都大学脳神経外科 2大阪医科大学脳神経外科 3大阪府済生会中津病院脳神経外科 4日本橋病院脳神経外科

ページ範囲:P.53 - P.57

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I.はじめに
 Clippingが困難な椎骨動脈・後下小脳動脈分岐部巨大動脈瘤(以下,VA-PICA巨大動脈瘤と略す)に対する治療として,瘤内血栓化をおもな目的とした観血的あるいはバルーンによる椎骨動脈(以下VAと略す)中枢側の閉塞術が行われている1-3,3,4,6,7,10).この治療法は多くの症例で安全かつ有効であるとされているが,脳動脈瘤の血栓化が認められない症例の報告も散見される17).本治療法をより確実な手術手技とするためには閉塞術がもたらす血行動態の検討が必要と考えられるが9),詳細な研究はなされていないのが現状である.
 本研究ではヒトの椎骨動脈近傍の解剖学的ならびに血流条件を考慮した流体モデルを用いて,VA-PICA巨大動脈瘤に対するVAの中枢側閉塞術を模擬した.VA流量を段階的に減少させて閉塞術に伴う血行動態の変化を詳細に検討した.動脈瘤の血栓化と密接に関係していると考えられる動脈瘤内の血流状態に着目し,VA流量の変化が瘤内血流に与える影響を,後下小脳動脈(以下PICAと略す)の流量を変化させた条件下において検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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