文献詳細
文献概要
症例
慢性腎不全患者の破裂脳動脈瘤—症例と透析方法の検討
著者: 山本信孝1
所属機関: 1金沢医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.79 - P.82
文献購入ページに移動I.はじめに
慢性腎不全患者の死亡原因の1位は心不全であるが第2位は脳血管障害7)であり,特に5年以上の透析歴を持つ例では脳血管障害が1位をしめる5).慢性腎不全患者では破裂脳動脈瘤の頻度が一般よりやや多いとする報告もあるが正確には不明である.しかし,その予後は不良であると報告されている4,9).これは初回出血が重篤になりやすいことが主な原因であるが,初回出血を乗り切ったとしても不幸な転機をとることが多い.今回,われわれは,慢性腎不全に合併した破裂脳動脈瘤の治療に際し術前より術中術後にかけて患者の状態に応じた透析療法を選択することにより予後の良好であった2例を経験した.この症例を報告するとともに,術前,術後の管理方法を検討する.
慢性腎不全患者の死亡原因の1位は心不全であるが第2位は脳血管障害7)であり,特に5年以上の透析歴を持つ例では脳血管障害が1位をしめる5).慢性腎不全患者では破裂脳動脈瘤の頻度が一般よりやや多いとする報告もあるが正確には不明である.しかし,その予後は不良であると報告されている4,9).これは初回出血が重篤になりやすいことが主な原因であるが,初回出血を乗り切ったとしても不幸な転機をとることが多い.今回,われわれは,慢性腎不全に合併した破裂脳動脈瘤の治療に際し術前より術中術後にかけて患者の状態に応じた透析療法を選択することにより予後の良好であった2例を経験した.この症例を報告するとともに,術前,術後の管理方法を検討する.
掲載誌情報