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研究
内頸動脈血管形成術用Blocking Balloon Catheterの開発
著者: 寺田友昭1 横手秀行1 中村善也1 津浦光晴1 中井国雄1 西口孝1 板倉徹1 林靖二1 駒井則彦1 兵谷源八2 板谷勝美3
所属機関: 1和歌山県立医科大学脳神経外科 2日比記念病院脳神経外科 3向陽病院脳神経外科
ページ範囲:P.891 - P.895
文献購入ページに移動近年血管内手術の進歩とともに,各種動脈硬化性病変に対しても血管形成術(PTA)が施行されるようになってきた.すでに,頭頸部領域では,鎖骨下動脈,外頸動脈,椎骨動脈等に対してPTAが施行されていたが,最近は内頸動脈病変に対してもPTAが施行されてきている1,4,8,9).しかし,本血管は血栓形成の状態から,PTA施行時に遠位への栓子による合併症が出現しうる.この合併症を防ぐため,TheronらはPTAを行う部位よりも遠位を,バルーンカテーテルで閉塞した状態で血管形成術を行い,その後内腔を洗浄し,遠位のバルーンを解除している.しかし,Theron8)らのblocking balloonのシステムはフローコントロールであるため,内頸動脈の分岐が急峻な場合や狭窄の程度の強い場合には,容易にバルーンが挿入できない場合がある.今回われわれは,内頸動脈PTA用のblocking balloon catheterとして,フローコントロール,トルクコントロールの両方ができるようにという観点から,東レ社スーパーセレクターインフユージョンタイプ(SP-IF)の先端にバルーンを装着したものを作製し,臨床使用し良好な結果を得たので報告する.
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