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研究
脳幹周囲脳槽に限局した出血を呈する出血源不明のくも膜下出血の臨床的検討
著者: 北原孝雄1 大和田隆1 常盤嘉一2 倉田彰2 宮坂佳男2 矢田賢三2 管信一3
所属機関: 1北里大学救命救急医学 2北里大学脳神経外科 3北里大学放射線科
ページ範囲:P.903 - P.908
文献購入ページに移動近年の脳血管撮影の技術的な進歩に伴い,出血源不明のくも膜下出血(SAH)の頻度は減少しているとはいえ,なお約5-15%に原因不明例が存在するとの報告1,4,6)がある.
また出血源不明のSAHの臨床的特徴として,比較的軽症例が多く,再出血の頻度が低く,予後も良好であるとされている.この事実は脳動脈瘤破裂によるSAHとは明らかな相違を示すものと考えられる.上記の観点から出血源不明のSAHを検討した結果,CT上脳幹周囲脳槽にのみ限局したSAHを呈する一群が存在することが判明した.今回われわれはこれらの脳幹周囲脳槽にのみ限局した出血を呈する一群(以下限局例)の臨床的意義を明らかにすることを目的とし,以下の検討を行った.
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