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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻10号

1993年10月発行

文献概要

研究

聴神経腫瘍の術後再発育に関する評価—聴神経腫瘍をどこまで摘出すべきか

著者: 谷諭1 篠田宗次2 小山勉1 田中英明1 橋本卓雄1 中村紀夫1 阿部俊昭1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学脳神経外科 2自治医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.909 - P.913

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I.はじめに
 聴神経腫瘍に対する手術の進歩は著しく,顔面神経のみならず蝸牛神経を保存し腫瘍を全摘出することが目標となってきた感がある.しかし顔面神経,蝸牛神経等を手術中に形態的に残存しえても術後に一時的あるいは長期間にわたり神経麻痺を生じることは多かれ少なかれ経験することと思われる.このような麻痺を避けるためにあえて腫瘍の一部を意図的に残存させることも考えられる.当然再発が危惧されるが,実際に再発に遭遇する機会は比較的少ないように思われた.いわゆる全摘出例が多くなったためか,腫瘍残存後の腫瘍再発育の可能性に関する報告は少なく再調査の必要性を感じた.もしわれわれの予想どおりに再発育が少なければ,意図的に腫瘍を残存させて神経機能の温存を計ることも,聴神経腫瘍の治療に関する別のゴールとなると考え,検討をすることにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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