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研究
小児頭部外傷の神経心理学的転帰に関する検討
著者: 国塩勝三1 河田幸波1 三好康之1 萬代真哉1 松久卓1 守山英二1 松本祐蔵1 田中良子2
所属機関: 1香川県立中央病院脳神経外科 2高松短期大学
ページ範囲:P.915 - P.920
文献購入ページに移動自動車事故などによる頭部外傷は,小児の不慮の事故でも頻度が高く,小児の死因の上位を占めることはよく知られている.小児の頭部外傷は一般に成人例と比較し予後は良好であるといわれている1,9)ものの,重症な後遺症を残すことも少なくない.逆に一見予後良好で,神経学的には問題のないように思われる患児において,学業復帰が十分出来ていない症例を経験することがある.本邦に於いては,このような小児頭部外傷の長期予後,リハビリテーション,特に神経心理学的転帰との関連性に関する報告は散見されるにすぎない.今回われわれは,小児頭部外傷における長期予後,特に神経心理学的転帰を検索するため,CT・MRI所見による脳損傷のタイプと知能検査および性格検査,さらに学業復帰との関連性について検討したので報告する.
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