icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻11号

1993年11月発行

文献概要

研究

くも膜下出血後の脳血管攣縮に対するNicardipine大量持続投与の効果

著者: 河野寛幸1 河野輝昭1 田中長利1 本間輝章1 岡田隆之1 佐藤耕造1

所属機関: 1福岡徳洲会病院脳神経外科

ページ範囲:P.999 - P.1003

文献購入ページに移動
I.はじめに
 近年,くも膜下出血後の脳血管攣縮に対し,highdose nicardipine(NIC)持続静注投与にて良好な成績が報告されている2,3,5-9,11).今回,33例のくも膜下出血(SAH)についてNICのhigh dose持続静注を行った.
 これにより,まず第一に症候性脳血管攣縮は1例(3%)にしか認められなかった.第二に,くも膜下出血発症後遅発性脳血管攣縮発生期に搬入された患者において,血管撮影上著明な血管攣縮が3例にみられたが,待期手術にせず,NICを術前もしくは後直後より投与しながら手術を行った結果,症候性脳血管攣縮への移行は認められず,かつ,術後の血管撮影上著明な改善がみられた.本論文では,33例の成績報告と,第2の点について3例の症例報告を行い,NICの遅発性脳血管攣縮の予防的治療としてのhigh dose投与の有効性について検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?