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研究
頭蓋底手術における頸動脈管開放—Carotid canal triangleの骨削
著者: 川上勝弘1 河本圭司1 辻裕之2
所属機関: 1関西医科大学脳神経外科 2関西医科大学耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.1013 - P.1019
文献購入ページに移動近年頭蓋底外科の発達につれ,海綿静脈洞や前頭蓋底については,手術術式が確立され次第に積極的に手術がなされるようになってきている.われわれは従来より前頭蓋底の病巣に対しては,extensive transbasal approachを10,11),中頭蓋底に対してはtranszygomatic approachを施行してきたが,病巣が中頭蓋底のみならず側頭下窩におよぶ場合には,内頸動脈が側頭骨内を走行するという解剖学的な理由により,手術が制約され術中に内頸動脈を安全に確保する必要があると考えられた.われわれは側頭下窩を占拠した5例の悪性腫瘍の症例に対して根治的手術を行ったが,早期に頸動脈管を開放し内頸動脈を確保することにより広い術野が得られ一塊とした摘出が可能となり良好な結果を得た.代表的な症例を供覧するとともに,頸動脈管を開放する手術操作に関してcarotid canal triangleと命名した微小解剖を中心に文献的考察を加え報告する.
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