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研究
ラット凍結脳損傷におけるArginine Vasopressin受容体拮抗剤の抗脳浮腫効果
著者: 香川昌弘1 長尾省吾1
所属機関: 1香川医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1103 - P.1107
文献購入ページに移動I.はじめに
アルギニンバゾプレッシン(arginine vasopressin以下AVP)は視床下部—下垂体後葉系から血液中へ分泌され,平滑筋収縮作用,抗利尿作用によって循環調節に関与している.さらに,視床下部の室傍核,視索上核などから直接脳内へも分泌され,神経伝達物質として,中枢性循環調節,記憶,摂食行動などに関与していると言われている,一方,近年脳内に分泌されたAVP(中枢性AVP)は正常脳および病的脳において脳血管の水分透過性を亢進させ,脳浮腫が進展する一因であることが報告されている3,14).本実験では脳挫傷の実験モデルとされる凍結脳損傷において,脳室内に投与されたAVP受容体拮抗剤が脳水分量,脳組織Na+,K+含量にどのような影響を与えるか討した.
アルギニンバゾプレッシン(arginine vasopressin以下AVP)は視床下部—下垂体後葉系から血液中へ分泌され,平滑筋収縮作用,抗利尿作用によって循環調節に関与している.さらに,視床下部の室傍核,視索上核などから直接脳内へも分泌され,神経伝達物質として,中枢性循環調節,記憶,摂食行動などに関与していると言われている,一方,近年脳内に分泌されたAVP(中枢性AVP)は正常脳および病的脳において脳血管の水分透過性を亢進させ,脳浮腫が進展する一因であることが報告されている3,14).本実験では脳挫傷の実験モデルとされる凍結脳損傷において,脳室内に投与されたAVP受容体拮抗剤が脳水分量,脳組織Na+,K+含量にどのような影響を与えるか討した.
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