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研究
癒着性くも膜炎による脊髄空洞症の臨床像と治療
著者: 鎌田恭輔1 岩崎喜信1 飛騨一利1 阿部弘1 井須豊彦2
所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科 2釧路労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.135 - P.140
文献購入ページに移動MRI等の画像診断の向上に伴い,キアリ奇形を伴う空洞症をはじめ,様々な原疾患による2次性の脊髄空洞症も認められる様になった.最近,このような脊髄空洞症に対し,その病態を考慮した種々の治療が試みられている1,3,5-16,18).中でも癒着性くも膜炎に続発する脊髄空洞症は,くも膜の癒着による髄液循環障害をはじめとした種々の病態が論じられ,これに対する治療法としては,髄液をくも膜下腔外に排除するsyringo-peritonealshunt(以下S-P shunt)が主流となっている1,8,13,15,17)今回.われわれは癒着性くも膜炎による脊髄空洞症の9症例で,MRI等により,くも膜の癒着や脊髄の変形の部位,及び空洞の範囲との関係を分析した.
さらに,当科の癒着性くも膜炎による脊髄空洞症に対する治療法と,その結果について検討し,文献的考察を加えたので報告する.
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