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研究
頭頸部動脈に対する経皮的血管形成術後のFollow-Up血管造影—再狭窄について
著者: 森貴久1 有澤雅彦1 本田信也1 福岡正晃1 栗坂昌宏1 森惟明1
所属機関: 1高知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.141 - P.146
文献購入ページに移動1964年にDotterとJudkins5)は,入間の股動脈の経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angio—plasty:PTA)に初めて成功し,将来この手技が全身の様々な血管に応用されるだろうと予想した.1977年,Gruentzig6)が人間の冠状動脈に対するballoonを用いたPTA(Balloon Angioplasty)に成功して以来,PTAは主に心臓領域でPercutaneous Transluminal CoronaryAngioplasty(PTCA)として発達してきた.本邦でも,PTCA施行症例数が10,000例を越えた施設がある.しかし,頭頸部動脈に対するPTA9,13)は,おそらく(1)末梢塞栓の発生に対する危惧,(2)経験者の不在,(3)器具開発の遅れ,等の理由から心臓に比べて著しく遅れている.
PTCAにおいて再狭窄は,未だ解決されない問題として残っており,follew-up血管造影は厳密に行われている.一方,本邦においても頭頸部領域のPTAが報告されるようになったが,follow-up血管造影を厳密に行って,再狭窄の問題を考えた上での報告はまだ無い.われわれの施設では,PTCAのプロトコールを応用して頭頸部のPTAを行い,3ヵ月後にfollow-up血管造影を行ったので,その結果を孝察を加えて報告する.
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