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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻3号

1993年03月発行

文献概要

研究

急性脊髄損傷に対する実験的研究—脊髄組織血流の経時的変化について

著者: 川田和弘1 森本哲也1 大橋孝男1 辻本正三郎1 星田徹1 角田茂1 榊寿右1

所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.239 - P.245

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I.はじめに
 脊髄損傷後に神経症状の範囲が広がることが経験され,その原因として外傷後に発生する脊髄の虚血5,27,28,33)や種々の生化学的変化11,13,18,23)等,受傷後の二次的変化が考えられているが,その機序はなお明らかとはなっていない.脊髄外傷後の二次的損傷の受傷近傍部位への影響を解明することは,脊髄損傷患者の治療法を考える上で重要である.特に急性期局所血流の低下が二次的に脊髄損傷を増大させる主因と考えられるようになってきた31.従って脊髄損傷近傍部での組織血流を検討することは重要と考える.laser Doppler flowmetry(LDF)は神経組織に対して非侵襲的にSpinal cord blood flow(SCBF)を連続測定することができるとされている6).われわれはこの方法を用いてラットの硬膜外クリップ圧迫モデルでの受傷部位から頭側,尾側における組織血流を経時的に測定した.そして,受傷近傍部位ではかなりの微小循環障害が生じていることが判明,特に頭側での低下が強く,二次的損傷の大きな因子となっていると考えられたのでここに報告し,その機序について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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