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研究
破裂脳動脈瘤早期手術後の血管攣縮と6カ月転帰—9年間における発生頻度と転帰の推移
著者: 後藤修13 田村晃1 仁瓶博史2 間中信也2 辻田喜比古1 岡秀宗1 佐野圭司1
所属機関: 1帝京大学脳神経外科 2帝京大学市原病院脳神経外科 3東芝中央病院脳神経外科
ページ範囲:P.299 - P.304
文献購入ページに移動クモ膜下出血後の脳血管攣縮は破裂脳動脈瘤の治療において予後を左右する重大な病態であり,1980年代前半に日本も参加して行われた国際共同研究では,脳血管攣縮は破裂動脈瘤に対する早期手術における転帰不良の原因の約1/3を占めることが報告されている10,11).この血管攣縮の予防あるいは一旦発生した攣縮に対する治療として様々な試みがなされてきたが,未だに決定的な方法は確立されていない4).しかしながら最近の当院での臨床経験では,重篤な血管攣縮発生が減少し,攣縮が発生しても死亡する例が減って全体として治療成績が向上しているとの印象がある.そこで本研究では,われわれの施設における急性期手術例の血管攣縮を症状とCT所見の面から解析し,攣縮の頻度と転帰が1980年代の前半と後半とでどのように変化してきたかを比較検討した.
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