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研究
外傷性髄液瘻のMR所見と手術適応について
著者: 夫由彦1 小宮山雅樹1 永田安徳1 田村克彦1 矢倉久嗣1 安井敏裕1 馬場満1
所属機関: 1馬場記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.319 - P.323
文献購入ページに移動外傷性髄液瘻の治療において最も重要なことは頭蓋内感染症の予防である.外科的修復の適応とその施行時期については議論のあるところである.受傷後数日以内に髄液瘻を認める場合には自然治癒することが多いために2週間程度は保存的に経過をみ,そして髄液の漏出が続いたり再発性の場合には修復術を考慮するのが一般的である11,13,15,17).しかし外傷後の頭蓋内感染は髄液瘻が自然に停止した例や,経過中に髄液瘻が認められなかった例にも生じており髄液漏の有無のみを指標にして修復術の適応を判断するのは問題がある1,2,4,7-9,12).
またこれまで術前に瘻孔の部位,大きさを正確に知ることは困難であったため,再手術を要することも少なくなかった.すなわち外傷性髄液瘻の治療の問題点として①修復術の適応に関するものと②閉鎖すべき瘻孔の部位大きさの決定に関するものがあると思われる.しかし,従来の補助診断法である頭蓋単純写,X線断層撮影,CT scan, RI脳槽撮影などでは痩孔の十分な情報を得ることは困難である1,17).
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