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症例
内頸動脈に水かき状狭窄(Internal Carotid Artery Web)を認めた線維筋性形成異常症の1例
著者: 熊井潤一郎1 西川方夫1 小出智朗1 児島正裕1 伊藤毅1 秋山恭彦1 岩城和男1 森和夫1
所属機関: 1浜松労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.351 - P.353
文献購入ページに移動頸部頸動脈の動脈硬化による狭窄や潰瘍が脳虚血発作の責任病巣となることはよく知られている.一方,線維筋性形成異常症(FMD)は偶然に発見されることが多く,脳虚血発作を伴うものは比較的稀とされている2).また,FMDの典型例では血管の全周にわたる輪状の狭窄が第2頸椎の高さのレベルに好発し,血管撮影上string of beadsの像を示すが,FMDのなかには,粥状硬化症と同様,内頸動脈が総頸動脈より分岐した直後に好発し,動脈壁の一部に鳥の趾の水かき(web)に似た狭窄像を示すものがある.このような症例の報告は稀であり,また,今までの報告例の多くが脳虚血症状を伴っており,手術により改善がみられている.われわれは血管撮影上web状狭窄を示し,123I-IMP SPECTにより,術後血流改善が認められたFMDの特殊型を経験した.
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