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研究
クモ膜下出血で発症した解離性椎骨動脈瘤の手術—Proximal ClippingとTrappingの比較
著者: 安井敏裕1 矢倉久嗣1 小宮山雅樹1 夫由彦1 永田安徳1 田村克彦1
所属機関: 1馬場記念病院脳神経外科
ページ範囲:P.395 - P.401
文献購入ページに移動近年,解離性椎骨動脈瘤(以下VA-DA)によるクモ膜下出血(以下SAH)症例の報告がふえている.VA—DAによるSAH症例では,慢性期に手術を行うべきであるという報告もあるが14),最近では早期に再破裂し急激な症状の悪化を来すため,やはり早期手術を行うべきであると言う考えが支配的となっている1,10,11)。これまでのところその手術的治療方法としては椎骨動脈(以下VA)のproximal clippingが広く行われてきたが3,5,9,13,14),この方法で再破裂した報告もある1,5,7).著者らもproximal clipping後再破裂した例を経験しているが,同時にtrappingによりWallenberg症候群を来した例も経験している.今回,自験例を提示し,文献的考察をも加えてこれら両治療法の比較を行う.
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