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研究
脳萎縮を伴う髄液循環障害(非定型正常圧水頭症)に対するShunt手術適応—血清α1—antichymotrypsin値と硬膜外圧持続測定での圧波の評価
著者: 竹内東太郎1 笠原英司1 神津仁2
所属機関: 1東松山市立市民病院脳神経外科 2佐々木病院神経内科
ページ範囲:P.417 - P.423
文献購入ページに移動近年,わが国では平均寿命の高齢化が進み“老人ボケ”あるいは“痴呆”が深刻な社会問題となっている.とくに,これらの痴呆患者の中でCT上,高度の脳萎縮を伴う脳室拡大を認める例では,従来は単なる脳の老化としてとらえられていた.また,これらの変化に髄液循環障害を認める例においてもshunt手術の適応外と考えられ,対症的な治療のみが行われていた9,22,35).しかし,最近このような症例でもshunt手術が有効であった例316,30)が報告されるようになり,その病態が注目されている6).今回著者らは,脳萎縮を伴う髄液循環障害の患者の中で,Fisher Rating Scale 3徴候4)の1つ以上を有し,その直接原因が特定できないものを非定型正常圧水頭症(atypical normal pressure hydrocephalus:ANPH)と定義して,とくに血清α1—anticymotrypsin(α1-ACT)と硬膜外圧(epidural press ure:EDP)持続測定での圧波出現がANPHのshunt手術適応の因子として評価できるか否かを検討した.
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