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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻5号

1993年05月発行

文献概要

研究

頸部頸動脈閉塞性病変の病理学的検討

著者: 古井倫士1 長坂徹郎2

所属機関: 1愛知医科大学脳神経外科 2名古屋大学附属病院検査部病理

ページ範囲:P.425 - P.430

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I.はじめに
 一過性脳虚血発作などの虚血性脳血管障害の原因としての頭蓋外頸動脈狭窄病変の関与については1905年のChiariによる塞栓症と頸動脈狭窄の7合併例の報告4),外傷や血栓による頸動脈閉塞例について考察した1914年のHuntの報告18)以来,臨床および病理の面から少なからぬ検討がなされてきた6,9,10,14,16,23,24,26).当初は虚血発生の機序としては狭窄に由来する血流減少という血行動態が強調されて外科治療の根拠にもなっていたが,1959年Fisher11)や1966年Ehrenfeldら8)が一過性黒内障の症例において網膜動脈中に小血栓の存在を観察したところから狭窄部から遊離した血栓による塞栓が注目され,これに続いてコレステリン結晶が栓子になる所謂アテローム塞栓の報告5,17)もなされ,高度狭窄例における血流低下を別にすれば,これらが頸動脈の閉塞病変を原因とする虚血性脳血管障害の主要な機序として現在広く知られるに至っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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