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研究
スパスムに対する血漿増量・高心拍出量療法における,血漿希釈と濃縮の指標としての血清膠質浸透圧の測定
著者: 戸根修1 伊藤梅男1 富田博樹1 正岡博幸1 富永勉1
所属機関: 1武蔵野赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.437 - P.441
文献購入ページに移動クモ膜下出血よる症候性脳血管攣縮に対し,われわれは血漿増量・高心拍出量療法を行っている3).この治療法は血漿を増量し,β—stimulantにより心拍出量を治療前の1.5倍以上に増加させて,脳血流量を増加させることを目標としている.しかしながら,この治療にもかかわらず,遅発性脳梗塞が発症して脳浮腫が生じた場合,あるいは元々合併する脳内血腫により脳浮腫が合併している場合,血漿を増量しつつも脳浮腫の治療を同時に行わなければならない.このような場合われわれは,血漿の膠質浸透圧(COP)を上昇させる膠質浸透圧療法を併用することによって脳血管攣縮の時期を切り抜けている.
今回,血漿増量・高心拍出量療法を行った症例で,血漿増量による循環血漿の希釈と,膠質浸透圧療法の血漿濃縮の指標として,血清膠質浸透圧を経時的に測定し,その有用性を検討した,
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