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症例
内頸動脈起始部に特異な病変を示したFibromuscular Dysplasia
著者: 渡辺修1 田中敬生1 中山禎司1 金子満雄1
所属機関: 1浜松医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.449 - P.452
文献購入ページに移動Fibromuscular dysplasia(以下FMD)は,1938年に,Leadbetterら10)により腎動脈撮影において初めて報告され以後頭頸部におけるFMDは欧米にて300以上を数えるに至った.しかし日本では比較的まれな病態で報告も少なく,30余例の報告のみである15).その好発部位は腎動脈がもっとも多く,ついで頭蓋外内頸動脈,椎骨動脈とされており,内頸動脈の病変は第2頸椎の高さに圧倒的に多い.今回われわれはTIAにて発症し,内頸動脈起始部に,“web shape”を示した狭窄性病変を認め,病理所見からFMDと判明した1例を経験した.本邦での報告はいまだみられず,文献的考察を含めて報告する.
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