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研究
クモ膜下出血後の脳室拡大および水頭症
著者: 松本隆1 永井肇1
所属機関: 1名古屋市立大学脳神経外科
ページ範囲:P.527 - P.532
文献購入ページに移動I.はじめに
クモ膜下出血に伴う髄液の循環吸収障害により脳室拡大を呈する症例があることはよく知られており5,10),急性期脳室拡大と慢性期脳室拡大とに分けて論じられることが多い4-6).クモ膜下出血後の急性水頭症に関する報告は増加しており,その成因や治療に関し論じられている3,5,8)が,慢性水頭症に関してはよく知られた合併症のためか最近の報告は少ない3,10),今回われわれは,クモ膜下出血後の慢性水頭症を中心にその病態,臨床像を明らかとすることを目的としてretrospectiveな検討を行った.また“急性期を中心とした頭部CT scanの所見から慢性期に短絡術の必要となる水頭症例をpredictできるか?”という点に関しても検討を加えたので合わせて報告する.
クモ膜下出血に伴う髄液の循環吸収障害により脳室拡大を呈する症例があることはよく知られており5,10),急性期脳室拡大と慢性期脳室拡大とに分けて論じられることが多い4-6).クモ膜下出血後の急性水頭症に関する報告は増加しており,その成因や治療に関し論じられている3,5,8)が,慢性水頭症に関してはよく知られた合併症のためか最近の報告は少ない3,10),今回われわれは,クモ膜下出血後の慢性水頭症を中心にその病態,臨床像を明らかとすることを目的としてretrospectiveな検討を行った.また“急性期を中心とした頭部CT scanの所見から慢性期に短絡術の必要となる水頭症例をpredictできるか?”という点に関しても検討を加えたので合わせて報告する.
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