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華佗と開頭術
著者: 古和田正悦1
所属機関: 1秋田大学脳神経外科
ページ範囲:P.573 - P.574
文献購入ページに移動華佗の医案は『三国志(本伝)』華佗伝・別伝と『鍼粂甲乙経序』にみられる22例で,『後漢書』方術伝やその他の医書の医案はすべて『三国志(本伝)』と重複しているという.そのうち開腹術は2例で,1例が完治し,他の例は10年後に死亡する.しかしながら,開頭術の記載はない.強いて頭部疾患の医例を求めれば,羅貫中による小説『三国志演義』第七十八回「治風疾風医身死」に「眉間生一瘤」を切開する医話がある.ある人が眉間に瘤ができて,かゆくてたまらないため,華佗に見せると,「その中に飛ぶものがいる」と言って,それを切開したところ,一羽の黄雀(ニュウナイスズメ)が飛び立ち,病人は治るのである.
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