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研究
血管内超音波の頸動脈への応用
著者: 森貴久1 有澤雅彦1 福岡正晃1 本田信也1 栗坂昌宏1 森惟明1
所属機関: 1高知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.617 - P.621
文献購入ページに移動動脈硬化性疾患の診断と治療に対しては,身体の何処の部位であっても,血管造影は今なお最も重要な検査である.しかしながら,動脈硬化の病理学的形態や,その程度をより正確に評価しようとすると,従来の血管造影では限界がある.また,動脈狭窄に対して,なんらかの外科的治療を加えたとき,血管内径の治療前後の変化以外に,内膜・中膜・外膜に対する影響を調べることは,血管造影では不可能であった.
近年,動物実験を経て,下肢の動脈や冠状動脈において血管造影を補う検査法として,血管内超音波装置が開発され2,3),血管狭窄の病理学的形態を考える上で,その有用性が報告されている.われわれは,冠状動脈用に開発され,現在わが国で認可されている血管内超音波装置を頸動脈に応用したので,その使用結果を報告する.
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