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症例
Radiation-induced Cerebrovasculopathyの1例
著者: 池山幸英1 阿美古征生1 黒川泰1 岡村知實1 渡辺浩策1 井上信一2 藤井康弘2
所属機関: 1宇部興産中央病院脳神経外科 2山口労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.751 - P.757
文献購入ページに移動脳腫瘍に対する放射線治療は直達手術困難な腫瘍や残存腫瘍の後療法として,また化学療法との併用によりその有効性が確立されている.近年は周辺正常脳組織への影響が最小限に抑えられしかもその治療効果をあげるべくガンマナイフによる治療も盛んに行われ,深部脳腫瘍や脳動静脈奇形等に対してその有効な治療成績が報告されている.一方,放射線照射による合併症の報告も多く,その一つとして照射後脳血管の狭窄,あるいは閉塞性変化をきたし,脳虚血症状を呈するいわゆるradia—tion-induced cerebrovasculopathyの報告も散見される.今回われわれは星細胞腫に対する放射線照射後に脳主幹動脈の狭窄,閉塞性変化をきたした1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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