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文献概要
連載 脳循環代謝・9
NMR画像法を用いた局所脳循環測定
著者: 安里令人1
所属機関: 1京都大学核医学教室
ページ範囲:P.769 - P.774
文献購入ページに移動I.はじめに
脳のNMR画像の基になっているNMR信号は,主として脳組織と血液中の水分子から得られる.水分子中の水素原子核(プロトン)が持つ核スピンの磁気モーメントを外部磁場を加えておいて測定するのがNMR(核磁気共鳴法)であるが,それ自身微視世界の概念である核スピンは,脳の微小な環境を知るための探索子としてもちいうる.NMR画像法では血液潅流を水分子の微小な移動と解釈するが,水分子の微小な移動は分子拡散と局所磁場の不均一分布の2つの要素を用いて解析できる.本稿では,水素原子核の核スピンを探索子として局所血液潅流を測定する方法を明らかにする.
脳のNMR画像の基になっているNMR信号は,主として脳組織と血液中の水分子から得られる.水分子中の水素原子核(プロトン)が持つ核スピンの磁気モーメントを外部磁場を加えておいて測定するのがNMR(核磁気共鳴法)であるが,それ自身微視世界の概念である核スピンは,脳の微小な環境を知るための探索子としてもちいうる.NMR画像法では血液潅流を水分子の微小な移動と解釈するが,水分子の微小な移動は分子拡散と局所磁場の不均一分布の2つの要素を用いて解析できる.本稿では,水素原子核の核スピンを探索子として局所血液潅流を測定する方法を明らかにする.
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