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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻9号

1993年09月発行

文献概要

研究

外傷性一次性脳幹損傷と迂回槽出血—MRIを用いた評価

著者: 奥地一夫13 藤岡政行1 小延俊文1 藤川朗1 西村章1 宮本誠司1 中川裕之2 岩崎聖2

所属機関: 1奈良県立医科大学救急医学科 2奈良県立医科大学放射線科 3大阪警察病院脳神経外科

ページ範囲:P.799 - P.804

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I.はじめに
 外傷性一次性脳幹損傷のCT診断においてCT固有の頭蓋底からのartifactsおよび分解能の限界が大きな問題点であった.MRIの登場はこれを克服しうる画期的な出来事といえるが,普及率の点から現在も脳幹損傷の画像診断はCTを中心に行われている15).その際,中脳実質内の異常所見の有無にかかわらず,迂回槽内に孤立した血腫の存在を認めることがある.この迂回槽出血は脳幹表面を走行する血管の破綻によって生じたと考えられ,その部位に損傷が加わったことを間接的に示す所見として大変興味深いが,診断価値に関して検討はほとんどなされていない.
 われわれはCT上の孤立した迂回槽出血を呈した4症例を経験し,これらについてMRIによる脳幹実質の損傷の有無を検討し興味ある知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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