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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科21巻9号

1993年09月発行

文献概要

症例

血管内手術による塞栓術が奏功した顔面外傷の2例

著者: 西嶋義彦1 岸廣成1 黒瀬喜久雄1 山中一浩1 連利隆2 金建三2 小宮山雅樹3 西尾明正4

所属機関: 1城北市民病院脳神経外科 2城北市民病院口腔外科 3馬場記念病院脳神経外科 4大阪市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.809 - P.813

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I.緒言
 外頸動脈系の血管に損傷を伴った顔面外傷では止血が困難で大量の出血を来し,その治療に難渋することがある.Buchananらは312例の顔面骨骨折のうち12例(4%)に大量の鼻出血を合併したと報告している1).著者らの施設では過去10年間に骨折を伴った顔面外傷を192例経験し,2例(1%)に大量の出血を合併した.
 外傷性鼻出血の出血源の検索については1970年にDugganらが血管撮影が有用であったと報告し4),1974年Sokoloffらはカテーテルを用いた止血に成功している13).近年,microcatheterの改良や新たな塞栓材料の開発,より高性能なdigital subtraction angiography(以下DSAと略す)の普及など血管内手術の発達に伴い,その手技はより安全かつ確実に行われるようになった.今回著者らは,顔面外傷に伴う大量出血に対しカテーテルを用いた塞栓術を行い,治癒せしめえた2症例を経験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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