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報告記
第9回国際脳浮腫シンポジウムに参加して
著者: 黒岩俊彦1
所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所神経病理
ページ範囲:P.854 - P.855
文献購入ページに移動 1993年5月16日から19日までの4日間,みなとみらい横浜で第9回国際脳浮腫シンポジウムが開催された.主催は武蔵野赤十字病院の脳外科(部長,伊藤梅男)であった.
国際脳浮腫シンポジウムは第1回が1965年9月にウイーンで開催されている.その後3年に1度開かれ,前前回がボルチモア,前回がベルン,そして今回の横浜のシンポジウムに至った.第1回シンポジウムでは,抄録集がNIHのIgor Klatzoとウイーン大学脳神経研究所のFranz Seitelbergerの編集によりシュプリンガー・ウイーンから出版されている.今その本を開いてみると,参加者98名,うちアメリカとドイツからが約70%であったことがわかる.日本からの参加者はわずか5名,抄録集に掲載された論文は1題のみであった.抄録集の序文には脳浮腫の研究にmultidisciplinary approachが重要であることが強調されており,更にmolecular levelでの検討が必要であることが既に指摘されているのは興味深いところである.時代は電子顕微鏡出現の時期にあたり,その最新の電顕写真とともに“My conclusionwas that edema, wherever it was located, was a glialswelling.”というような結論の論文も見られ,KJ Zulchがそのような結論はprematureであると光顕所見に基づいて反論している点も時代をうかがわせ面白いところである.
国際脳浮腫シンポジウムは第1回が1965年9月にウイーンで開催されている.その後3年に1度開かれ,前前回がボルチモア,前回がベルン,そして今回の横浜のシンポジウムに至った.第1回シンポジウムでは,抄録集がNIHのIgor Klatzoとウイーン大学脳神経研究所のFranz Seitelbergerの編集によりシュプリンガー・ウイーンから出版されている.今その本を開いてみると,参加者98名,うちアメリカとドイツからが約70%であったことがわかる.日本からの参加者はわずか5名,抄録集に掲載された論文は1題のみであった.抄録集の序文には脳浮腫の研究にmultidisciplinary approachが重要であることが強調されており,更にmolecular levelでの検討が必要であることが既に指摘されているのは興味深いところである.時代は電子顕微鏡出現の時期にあたり,その最新の電顕写真とともに“My conclusionwas that edema, wherever it was located, was a glialswelling.”というような結論の論文も見られ,KJ Zulchがそのような結論はprematureであると光顕所見に基づいて反論している点も時代をうかがわせ面白いところである.
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