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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻1号

1994年01月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

機能解剖に基づいた脳手術支援

著者: 加藤天美1 吉峰俊樹1 中島伸1 平野俊一朗1 金山拓司1 谷口理章1 田辺敬貴2 原田貢士3 早川徹1

所属機関: 1大阪大学医学部脳神経外科 2大阪大学精神科 3大阪大学放射線科

ページ範囲:P.7 - P.16

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I.はじめに
 安全,確実な手術のためには外科解剖の知識と理解が重要なことは言うまでもないが,これは術中,手術操作に適確に反映されてはじめて意味のあるものとなる.画像情報の解析により個々の患者についての解剖学的理解が容易となってきたが,術前計画あるいは術中における解剖学的オリエンテーションは,なお少なからず術者の経験や直感に基づいており,常に確実に把握されているとは限らない.しかも,最近とくにもとめられる高次脳機能の保護のためには,個々の患者に関してより精密な機能解剖相関の把握とそれに基づいた手術操作が必要である15,35).これらの問題を克服するため,私達は,術前の画像情報から手術に必要な部分を抽出し,機能マッピング結果などとともに再構成して明確なかたちで術者に提供し,さらに,これらと実際の手術操作位置との関係を術者に明示するシステムを構築してきた.本稿では手術用画像処理システムや手術ナビゲーターなど,パーソナルコンピューターベースで構築しうる脳手術支援システムを紹介し,精密な脳機能解剖の把握や実際の手術への応用について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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