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症例
Fronto-orbital Fibrous Dysplasiaに対する頭蓋眼窩形成,視神経管開放術の経験
著者: 七海敏之1 日高徹雄1 木戸口順1 小川彰1
所属機関: 1岩手医科大学脳経外科
ページ範囲:P.967 - P.971
文献購入ページに移動前頭骨から蝶形骨にかけて発生するfibrous dysplasia(以下FD)は顔面の変形や眼球の偏位のみならず脳神経を巻き込み視力,視野障害を中心とした多彩な眼症状を引き起すため積極的な治療を必要とする疾患である.本疾患の治療時期に関しては良性疾患であり思春期以降に発育の自然停止をみる例が多いことや,すでに生じた視力障害に視神経管開放術が必ずしも有効でないことなどから症状が進行するまで手術期を遅らす傾向がみられた.しかし最近では顕微鏡手術の進歩に伴い慢性的な視神経の圧迫による視力障害であっても視神経管開放術による視力改善の効果が望めるようになり本疾患の手術時期の検討が必要であると思われる.今回われわれは視力障害のない視神経管狭窄を伴うfronto-orbital FDの1例に対し頭蓋・眼窩形成術と同時に視神経管開放術を行い良好な結果を得ることができたので報告する.
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