文献詳細
文献概要
症例
鼻性視神経炎の1症例
著者: 草鹿元1 山田武1 篠田宗次1 増沢紀男1
所属機関: 1自治医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.977 - P.981
文献購入ページに移動眼科及び耳鼻咽喉科領域において副鼻腔疾患と視神経障害との因果関係は古くから論じられている.しかしながら脳神経外科領域においては,少なくともわれわれが検索する限り,いわゆる鼻性視神経炎に関する報告は極めて少ない.これは,鼻性視神経炎患者では一般に副鼻腔炎症状が先行したり,視覚異常のみが前面にでることが多いため,耳鼻咽喉科医や眼科医を訪れることが多いためと思われる.しかしながら先行する髄膜炎症状と視覚障害にて発症する例も少なからずあり5),このような場合,脳神経外科を初診する可能性は十分に考えられる.術前診断に苦慮したが,視神経管開放術により著明な視力回復を来たした鼻性視神経炎と思われる1症例を経験したので,発生機序,診断,治療についての文献的考察を加え報告する.
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