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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻11号

1994年11月発行

文献概要

解剖を中心とした脳神経手術手技

血管内手術

著者: 後藤勝彌1

所属機関: 1飯塚病院脳血管内外科

ページ範囲:P.1005 - P.1013

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I.海綿静脈洞の流出路と硬膜動静脈瘻(dural arterio—venous fistula:DAVF),直接型の頸動脈海綿静脈洞瘻(direct carotid-cavernous sinus fistula:CCF)の塞栓術
 DAVFやCCFの自然経過中や,塞栓術に伴って眼窩内および頭蓋内の重篤な合併症を生じることが稀ならず存在する.合併症予防のためには,流出静脈系の解剖と血行動態の把握がことに重要である.
 海綿静脈洞は前方は上下の眼静脈と,後方へは上下の錘体静脈洞と,頭蓋内潅流静脈群は浅シルビウス静脈,脳底静脈,anterior pontomesencephalic veinと,下方へはpterygoid plexusとつながる(Fig.1).それぞれの静脈還流路の発達の程度には個人差があり,また,海綿静脈洞の硬膜動静脈瘻の経過中に,そのうちのいくつかが自然に,また,治療によって閉塞することがある.後方還流路が閉塞すると眼症状の増悪をみることが多い.前方ならびに,後方静脈群が閉塞すると頭蓋内の静脈への逆流が生じ,静脈性高血圧が著しくなると,静脈性の脳梗塞や,頭蓋内出血を生じる恐れがある1).進行性の視力障害が出現するか,血管造影で,頭蓋内還流静脈群への著明な逆流をみたら,出来るだけ早急に塞栓術を行わねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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