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症例
くも膜下出血で発症した上部頸髄硬膜動静脈瘻(spinal dural AVF)
著者: 池田宏也1 藤本康裕1 小山隆1 藤本康倫1
所属機関: 1市立伊丹病院脳神経外科
ページ範囲:P.1045 - P.1048
文献購入ページに移動最近国内脳神経外科領域において脊髄動静脈奇形(AVM)に遭遇する機会が増加して来た.これに伴い国内外のこの疾患に対する臨床的研究報告の数も増して来た.従来DiChiroら3,4)の分類したsingle coil vesselAVMは実はdural AVMが大半で,唐澤ら7,8)や宮本ら9)の分類ではradiculomeningeal AVM(AV Fistel)に分けられている.
脊髄のdural AVMはarteriovenous fistula(AVF)とも呼ばれ呼称に統一はない.一般にspinal dural AVFはcongestive venous hypertensionによるmyelopathyが症状発現に関与すると考えられる.最近私共はくも膜下出血(SAH)にて来院,その原因がhigh cervical spin—al AVMと診断された症例に対し外科的手術を施行した.手術の結果dural typeのAVFであり,出血源は硬膜内varix部のblebであった.
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