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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻11号

1994年11月発行

文献概要

症例

くも膜下出血の7年後に延髄圧迫症状を呈した椎骨解離性巨大動脈瘤の1例

著者: 土肥謙二13 久保田勝1 浜田秀雄1 桑原健次1 西島洋司1 櫛橋民生2 松本清3

所属機関: 1西島脳神経外科 2昭和大学放射線科 3昭和大学脳神経外科

ページ範囲:P.1067 - P.1070

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I.はじめに
 頭蓋内解離性脳動脈瘤は約83%が椎骨脳底動脈系に発生し13),臨床像では内頸動脈系と比較してクモ膜下出血(SAH)で発症する症例が虚血病変例より多いとされている.また,再出血については嚢状動脈瘤より発症早期に起こりやすく,さらに再出血後の予後も不良であり外科的治療が必要と考えられている.しかし,直達手術(Trapping, Proximal Occlusionなど)3,7,12,14)や血管内手術川など治療法の選択も術後の合併症の問題もあり,未だ確立されていない3,6,12)
 今回われわれは初回出血から7年後,巨大動脈瘤に発展し延髄外側部の圧迫症状を呈した極めて稀な症例を経験した.本症例のように再出血を免れ長期にわたり自然経過を観察した報告は少なく,その臨床経過について若干の文献的考察を加え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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