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症例
先天性脳動脈瘤との鑑別が困難であった外傷性前大脳動脈瘤の1例
著者: 徳野達也1 伴貞彦1 新宮正1 山本豊城1
所属機関: 1神戸市立中央市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.1073 - P.1076
文献購入ページに移動外傷に起因する外傷性脳動脈瘤は全脳動脈瘤の0.5—2%と2,3,15),比較的まれではあるが,一度破裂すると非常に予後不良であり2,3),早期に発見し適切なる処置を施すことが心要である4,12).しかし,その診断はしばしば困難で,外傷後一定期間を経てから動脈瘤の破裂によりはじめて発見されることが多く,破裂前に診断されることは少ない.今回,われわれは受傷直後より脳内に大きな血腫を形成し,先天性動脈瘤との鑑別が困難であった前大脳動脈末梢部の外傷性動脈瘤の症例を経験したのでその診断および病因を中心に文献的考察を加えて報告する.
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