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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻12号

1994年12月発行

文献概要

研究

脊髄繋留症候群の神経症状における“Skip Lesion”の成因に関する考察

著者: 谷諭1 中原成浩1 田中英明1 阿部俊昭1 神吉利典2 野田靖人2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学脳神経外科 2神奈川県立厚木病院脳神経外科

ページ範囲:P.1131 - P.1134

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I.はじめに
 脊髄繋留症候群(TCS)の神経症状を詳細に検討すると,神経症状の重症度は画像上の脊髄円錐の下降程度と必ずしも相関しないばかりか13),脊髄が尾側から順番に頭側へ侵されるとは限らず,非連続的に離れた脊髄分節の病巣(skip lesion)に相応する神経症状を生じることがある.この代表的な症状として運動知覚障害範囲の非連続性が挙げられるが,さらに核上性の障害として,下肢腱反射の亢進,Babinski反射の陽性,排尿筋無抑制収縮を伴う神経因性膀胱,腰下肢痛などの症状も,この範疇に含まれる可能性がある.このような症状の発現頻度を検討し,発現機序を考察し,さらにTCSにおける神経症状に対する手術効果について検討することができたため報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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