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症例
成人期に発症した腰部硬膜内脂肪腫の1例
著者: 今泉俊雄1 新谷俊幸2 末武敬司2 竹田正之2 大滝雅文3
所属機関: 1王子総合病院脳神経外科 2小樽脳神経外科病院 3札幌医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1169 - P.1172
文献購入ページに移動脊髄脂肪腫を構成する脂肪細胞は非常に分化した細胞であり,病理組織学的には,正常脂肪細胞と明かな差異がない2).しかし急速に増大したり2),成人期に発症したりする症例5,8,9,12,14,18,19)が報告されている.一般にcervicothoracic lipoma,lumbosacral lipomaの2群に分けられ,前者は先天奇形との関連は薄く,その意味で腫瘍的性格が強いといわれる.後者は二分脊椎などの先天奇形との関連があり,小児,若年成人に発症するため先天的な腫瘍として知られ12),本来皮下脂肪と連続していることが多く,硬膜内のみに存在するのは稀である4).われわれは成人期発症の腰部硬膜内脂肪腫の稀な1例を経験したので報告する.
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