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研究
脳疾患における髄液中ミエリン塩基性蛋白(Myelin Basic Protein)の値—特に悪性脳腫瘍における変動
著者: 中川秀光1 藤田敏晃1 鶴薗浩一郎1 久保重喜1 山田正信1 宮脇陽二1 時吉浩司1 金山拓司1 長谷川洋2 越野兼太郎2 佐藤雅春3 金井信博3 甲村英二4 伊東守5 岩田吉一6 藤原正昭7 吉峰俊樹8 早川徹8
所属機関: 1大阪府立成人病センター脳神経外科 2大阪厚生年金病院脳神経外科 3市立豊中病院脳神経外科 4大阪労災病院脳神経外科 5寺元記念病院脳神経外科 6箕面市民病院脳神経外科 7行岡病院脳神経外科 8大阪大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.111 - P.118
文献購入ページに移動髄液ミエリン塩基性蛋白(myelin basic protein,以下MBPと略す)は,髄鞘損傷との関係を示し,脱髄あるいは髄鞘におよぶ脳実質の損傷をうける組織の量を反映するといわれ,多発性硬化症の増悪時3,4,10)や種々の脳神経疾患で上昇1,4-7,9,15-22)することが知られている.しかしながら脳腫瘍に関する報告が殆どなく,種々の脳腫瘍におけるその値は,興味がもたれる.今回われわれは,70人の脳腫瘍の患者の髄液を可能な隈り経過を追って測定し,その他の脳疾患における髄液値と比較し,特に悪性腫瘍に対する治療における変動よりその有用性と治療におけるMBP測定の意義について検討した.
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