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症例
転帰良好な外傷性基底核部(尾状核)出血の2例
著者: 木村正英1 蕎麦田英治2 鈴木重晴1 野々垣洋一1 岩渕隆1
所属機関: 1弘前大学脳神経外科 2一関病院脳神経外科
ページ範囲:P.155 - P.158
文献購入ページに移動剖検により診断されていた時代より,外傷性基底核部出血は外傷性脳出血の内でも稀なものとされてきたが,近年CTスキャンの普及に伴いその報告例が増加し,臨床経過や病態も次第に明らかにされつつある.著者らは,意識障害が中等度および意識清明である外傷性尾状核出血の2例を経験し,最近の文献を検討したところ,外傷性基底核部出血に,死亡あるいは植物状態に移行する予後不良のものと,本例のように神経学的に比較的良好なものの,異なる2つの範疇があることが判明した.このことは,手術を含む治療法の選択や予後の予測という点から臨床的意義があると思われ,報告する.
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