文献詳細
症例
顆粒球コロニー刺激因子投与中に間質性肺炎を併発した神経膠芽腫の1例
著者: 伊林至洋1 大山浩史1 橋本祐治1 酒谷薫1 森本繁文1 高橋弘毅2 柴田和則3 柏原茂樹3 田辺純嘉1 端和夫1
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科 2札幌医科大学第3内科 3旭川脳神経外科病院
ページ範囲:P.169 - P.174
文献概要
悪性脳腫瘍に対する同調化学放射線療法や強力な化学療法に伴う好中球減少症に対して,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は好中球減少期用の短縮および好中球最低値の上昇などに有効であるとされ5,6),最近多くの施設で使用されている.しかし,顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)の大量投与例で呼吸不全や胸水・心のう水貯留,血栓症,心外膜炎などの副作用が報告されていること4,12)から,同じサイトカインのグループであるG-CSFでも副作用としての組織障害や炎症反応の増悪が起こり得ることを十分認識しなければならない.
今回免疫化学放射線療法中の好中球減少期にG-CSFを投与して,それがきっかけとなったと思われる間質性肺炎を経験したので報告する.
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