文献詳細
研究
脳幹部動静脈奇形の外科的治療—4例の直達手術の経験
著者: 安井敏裕12 矢倉久嗣1 小宮山雅樹1 夫由彦1 永田安徳1 田村克彦1
所属機関: 1馬場記念病院脳神経外科 2大阪市立総合医療センター脳神経外科
ページ範囲:P.215 - P.221
文献概要
脳幹部動静脈奇形(以下脳幹部AVM)は発生頻度が低く,その直達手術も困難なものとされてきた14,18).しかし,診断技術の進歩やmicrosurgeryの発達により,徐徐に摘出成功例の報告も増えている.特に1975年にDrakeにより,nidusが実質外(epipial)にある例では神経脱落症状を発生させることなしに摘出可能であることが示されたことは,脳幹部AVMの手術的治療法にとっては大きな進歩であった6).
著者らはこれまでに4例の脳幹部AVMに対して直達手術を行ったので報告し,その手術的治療を中心に考察する.
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