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雑誌目次

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻4号

1994年04月発行

雑誌目次

創業と守成,いずれが難き

著者: 阿部俊昭

ページ範囲:P.299 - P.300

 昨年4月,講座担当という扉がたまたま開き,踏み入って1年.教育,研究,診療,関連病院の人事,その他に追われ,息つく暇もなく過ごしてしまった時間を改めて振り返ってみる.高度に発展した現代社会においては肝心の人間関係が錯綜しあい,物事の本来の姿や自らの目標が見失われていることに気がつく.
 中国,唐代(7C)は理想的な統治が行われたことで知られる.『貞観政要』は,ときの皇帝太宗没後50年に史官の呉兢によって書き残された帝王学の書である.

解剖を中心とした脳神経手術手技

脊髄髄膜瘤の手術:Intentional Delayed Back Closure

著者: 森本一良 ,   若山暁

ページ範囲:P.301 - P.307

I.はじめに
 解剖を中心とした脳神経手術手技の本欄に,すでに脊椎破裂の手術と題した論文が1984年収載されている3).今回本表題を重載するにあたり,私たちの提唱するintentional delayed back closureならびに合併する水頭症への対応についての副題を与えられた.
 時代の変遷とともに周産期医療において産科学と小児科学からくる制約を払拭した新生児科学が確立してきた2).折から産科領域に母体超音波画像診断機器の爆発的な普及があり,これによって出生前に胎児中枢神経系疾患が見出されるようになった.これら疾患のうち頭蓋内髄液貯留異常を呈した水頭症患児に,しばしば合併する脊髄髄膜瘤の対応に迫られるが,その外科的対応にあたって超未熟児脳室内出血後水頭症のため考案したminiature Ommaya's reservoirを用いて髄液を恒常的な流速で,持続的に排除すれば脊髄髄膜瘤からの髄液漏を制御できることを見出した11)
 そこで私たちは従来出生後24時間はたまた48時間以内の緊急処置を要するとして取り扱われた本疾患は,患児が外界適応する1週間前後まで手術を意図的に待機出来ることを提唱してきた.本稿ではこれらを焦点に本疾患に対する外科的対応を述べる.

研究

高齢者における特発性正常圧水頭症

著者: 石川正恒 ,   菊池晴彦 ,   平井収

ページ範囲:P.309 - P.315

I.はじめに
 わが国の急速な高齢者社会への進行とともに,老人の痴呆や歩行障害が重要な問題となっている.この高齢者の痴呆は脳血管性痴呆やアルツハイマー型老年性痴呆によることが多いが,時に痴呆様の精神活動の低下や歩行障害が髄液短絡術で改善する場合があり,このような例は特発性正常圧水頭症と呼ばれる.正常圧水頭症にはクモ膜下出血後や頭部外傷後にみられる続発性のものと原因不明の特発性のものとがあるが,続発性と異なり,特発性では他の痴呆疾患との鑑別が容易でなく,また,高齢者では髄液短絡術後に慢性硬膜下血腫等の合併症をきたす頻度も高いとされているので,より確実な鑑別法が望まれる.
 われわれは,従来より持続腰部髄液圧測定法を用いて各種交通性水頭症の頭蓋内圧測定を行ってきたが,本稿では高齢者の特発性正常圧水頭症の鑑別における本法の有用性について検討した.

新しく開発されたバイポーラー(Malis CMC—Ⅲ bipolar system)の使用経験

著者: 新島京 ,   米川泰弘 ,  

ページ範囲:P.317 - P.320

I.はじめに
 バイポーラー凝固器(バイポーラー)は,脳神経外科のマイクロサージャリーには不可欠な機器となっている1).1955年,Malis2)によって開発されて以来,改良が重ねられ,その性能は向上し,使い易さも増した.
 1988年以来Malis自身によって開発が進められ1991年に完成した新しいバイポーラーを,日本国内で初めて使用する機会を得た.この新開発されたバイポーラーの特色を,臨床に使用した経験を通して報告する.

悪性神経膠腫におけるBrachytherapy後の再発様式の検討

著者: 東久登 ,   松本健五 ,   中川実 ,   小野恭裕 ,   篠原千恵 ,   津野和幸 ,   古田知久 ,   大本堯史

ページ範囲:P.321 - P.326

I.はじめに
 悪性神経膠腫は種々の積極的な治療にもかかわらず,早晩再発をきたし,患者を死に到らしめる極めて予後不良の疾患であるが,その再発は約80%以上が局所再発であり6,10),本疾患の治療における局所制御の重要性が指摘されている5,19).われわれは1987年より各種の悪性脳腫瘍に対し,192Iridiumを用いた放射線組織内照射(brachytherapy)を施行しており,その有用性を報告してきた9,13,14).しかしながら,症例を重ね,長期経過観察を行っていく中で,本治療により局所再発が減少し,症例全体としては予後の改善を認めたものの,一部に原発巣がよく制御されているにもかかわらず髄腔内播種の形で再発する症例を経験するようになった.今回,この観点からbrachytherapy後の再発様式を検討したので若干の文献的考察を加え報告する.

培養株化神経細胞の膜電位と興奮性インパルスに及ぼすカルシウム拮抗剤(Nilvadipine)の影響

著者: 山崎俊樹 ,   秋山恭彦 ,   川原理子 ,   長尾聖一 ,   森竹浩三 ,   榎本浩一 ,   前野巍

ページ範囲:P.327 - P.331

I.はじめに
 中枢神経系組織の中で種々の情報を伝達して生体機能の統合をはかるという神経系本来の働きは,ニューロンとその相互連絡により形成される回路網をめぐる神経インパルスの作用により営まれている.近年,神経系の興奮波を電気現象として記録できる実験システムの技術的進歩によりニューロンの働きは興奮の伝導あるいは伝達であることが電気生理学的に明らかにされてきた6).とくに,単一の神経細胞に刺入できる微小電極の開発により細胞膜電位の計測が可能となったため,神経インパルスの伝導に際しみられる一連の電気活動がより正確に観察されるようになった4).ニューロンにおける電気活動のメカニズムに関する報告をみると,神経細胞がインパルスを伝導する際,神経細胞膜のイオンチャンネルを介して極めて短時間(数ミリ秒)にNa,K,Ca2+などのカチオンの動きとして細胞膜電位の変化が生じることが示されている6)
 神経細胞における主要な機能活動である細胞膜の興奮と伝達物質の放出はいずれも細胞内カルシウムイオン濃度([Ca2+]i)と密接な関連を有して調節を受けている.従って,神経細胞における細胞膜電流,膜電位あるいは[Ca2+]iの動態を知ることはその機能や役割を解明するうえで重要な課題である.しかし,生体内の神経細胞の性質は均一性に乏しく,しかもそれらが互いに他の神経細胞と連絡(シナプス結合)し合った状態で神経系は複雑な回路網を形成して機能している.そのため,個々の神経細胞について電気的な活動を解析することは不可能に近い.一方,株化細胞は単一の細胞を起源として遺伝的に均一な細胞集団である.従って,均一性に富む株化神経細胞を用いることによりその膜電位,膜電流および[Ca2+]iなどの測定が可能となり,神経細胞の電気現象を詳細に検討できると考えられる.
 カルシウム拮抗剤は細胞膜に存在する膜電位依存性カルシウムチャンネル(slow calcium channel)を介するカルシウム電流(slow inward current)を選択的に,かつ用量依存的に抑制する薬剤である−また,受容体活性化膜電位非依存性カルシウムチャンネルに対しても部分的に抑制作用を有する一方で,受動的な細胞内へのカルシウムイオンの流入(Ca2+influx)に対しては抑制効果を示さないことが報告されている1).カルシウム拮抗剤は基本化学構造の相異と作用機序により細分類され,臨床的にもその作用機序に基づいて降圧剤として用いられている.
 今回,われわれはdihydropyridine系カルシウム拮抗剤に分類されるnimvad童pineが神経細胞の膜電位と興奮性電気活動に如何なる影響を及ぼすかを株化神経細胞を用いて検討し,新たな知見を得たので報告する.

症例

Turner症候群に合併したPituitary Hyperplasiaの1例

著者: 木戸悟郎 ,   宮城敦 ,   渋谷肇 ,   宮上光祐 ,   坪川孝志 ,   澤田達男

ページ範囲:P.333 - P.338

I.はじめに
 Turner症候群は,①女性型外性器,②原発性無月経,③低身長,④性染色体の異常,を特徴とする代表的な染色体異常疾患で,性染色体の構成は正常X染色体がひとつのみか,あるいはもう1本,XまたはY染色体構造異常を伴うとされている7,8).全身的には,大動脈縮窄症に代表される心大血管系の異常の合併頻度が高いとされているが,中枢神経系疾患の合併に関する報告は少ない11,18-20,23,30)
 今回,われわれは,長期にわたりestrogen製剤による補充療法が施行され,頭蓋内病変としてpituitary hyperplasiaとmeningiomaを合併し,解離性大動脈瘤破裂によって死亡したTurner症候群の1例を経験した.

巨大嚢状転移性脳腫瘍の長期生存例

著者: 片岡和夫 ,   植嶋利文 ,   新山一秀 ,   黒田良太郎 ,   有田憲生 ,   井奥匡彦 ,   山田和雄 ,   種子田護 ,   早川徹

ページ範囲:P.339 - P.341

I.はじめに
 これまで根治的治療が困難と考えられがちな転移性脳腫瘍に対しても外科摘出術,化学療法,放射線治療など集学的治療により一部ではあるが長期生存の可能性も報告されるようになってきた4,8,10).さらにこうした転移性脳腫瘍患者の予後に関係する要因についてもさまざまな角度より多くの検討がなされている2,4,8,9).当然脳に転移している腫瘍のサイズもその予後を左右する重要な要因となりうると考えられる.今回われわれは肺癌より長径6.5cmにもおよぶ巨大な転移性脳腫瘍を摘出し,術後33カ月以上再発を認めない症例を経験した.そこでこの症例について報告し,腫瘍のサイズ,その外科的摘出法とその予後に関して検討した.

多発性脳転移をきたした気管支Carcinoid—外科的に全摘しえた症例

著者: 高野尚治 ,   斎藤元良 ,   宮坂佳男 ,   矢田賢三 ,   大部誠 ,   高木宏

ページ範囲:P.343 - P.348

I.はじめに
 1907年にOberndorferが,小腸腫瘍のなかで癌とは異なって,限局性で粘膜下層に成長するが浸潤傾向はなく,ときに多発性だが転移を来たさず,良性の経過をとる腫瘍を経験し,carcinoidと命名した.好発部位は,胃,虫垂,腸管に多いが,気管支,卵巣,子宮,膀胱などの稀な報告も散見される.本来,発育が緩徐な腫瘍であり,転移は少なく,癌より良性の経過をとるものとされている.本例は頭蓋内(大脳,小脳)に多発性転移を認め,小脳失調症状で発症した気管支原発のcarcinoid tumorであり,原発巣,多発脳転移巣への外科的治療にて腫瘍を摘出し寛解させた稀な症例でありここに報告する.

腫瘍性病変との鑑別を要する小脳梗塞—MRIによる診断

著者: 八巻稔明 ,   田辺純嘉 ,   高村幸夫 ,   山村明範 ,   越智さと子 ,   中川俊男 ,   端和夫

ページ範囲:P.349 - P.352

I.はじめに
 小脳梗塞はしばしば脳血管障害に特徴的な突然発症としてとらえがたいことがあり4),また画像上占拠性病変としての圧排像や造影剤による増強効果を示すことがあることから腫瘍との鑑別が問題となることがある6,9).発症からのある時点でCT上腫瘍との鑑別がつかない場合は,その後の経過を追跡すれば鑑別が可能であるが,できるだけ早期に診断し適切な治療を行うことが望ましい.MRIの出現により,これまでCTや臨床所見のみでは診断が困難な症例においても,急性期に小脳梗塞の正確な診断が可能となってきた.最近われわれが経験した3症例を呈示し,MRIを含めた小脳梗塞と腫瘍との画像上の鑑別点について報告する.

犬咬傷により内頸動脈閉塞をきたした1小児例

著者: 伊東山洋一 ,   藤岡正導 ,   高木修一 ,   木村浩 ,   秀拓一郎 ,   生塩之敬

ページ範囲:P.353 - P.356

I.はじめに
 最近われわれは,頸部に対する犬咬傷により内頸動脈閉塞を来し,片麻痺を呈した小児例を経験した.小児における外傷性内頸動脈閉塞の報告は少なく,更に犬咬傷による内頸動脈閉塞の報告は文献的に見られなかった.その発生機序,治療上の問題点に関し文献的考察を加え報告する.

頭蓋咽頭腫の放射線治療16年後に発生した傍側脳室Anaplastic Astrocytomaの1例

著者: 清水宏明 ,   藤原和則 ,   小林紳一 ,   北原正和

ページ範囲:P.357 - P.362

I.はじめに
 脳腫瘍の治療において放射線治療は手術と並んで重要な地位を確立しているが,一方,放射線治療後,比較的長期生存を果たしている症例の中に新たに放射線誘発脳腫瘍が発生することがあり注目されている.放射線誘発脳腫瘍としては肉腫,髄膜腫の頻度が高くこれらに比べると神経膠腫はまれである7,12)
 今回,頭蓋咽頭腫の手術および放射線治療後16年を経過して脳梁を中心とした傍側脳室部にanaplastic astrocytomaを発生した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

穿刺排膿術にともない被膜から著明な出血をきたした脳膿瘍の1例

著者: 物部健彦 ,   川合省三 ,   竹村潔 ,   田中祥弘 ,   柿崎俊雄 ,   金永進

ページ範囲:P.363 - P.365

I.はじめに
 先進国における脳膿瘍は最早まれな疾患となり,近年では死亡率は激減しているが,著しいmass effectを有する重症例では外科的治療が必要である.手術としては穿刺排膿術が安全で有用であり,広く行われているが,今回われわれは,穿刺術にともなったまれな合併症を経験したので報告する.

頭蓋咽頭腫照射療法2年後に発生した髄膜腫の1小児例

著者: 狩野友昭 ,   坐間朗 ,   小野伸夫 ,   中村正 ,   田村勝 ,   大江千廣 ,   中里洋一

ページ範囲:P.367 - P.370

I.はじめに
 1969年Munkら3)の頭部白癬に対する低線量照射療法後に生じた5例の頭蓋内髄膜腫の報告以来radiation—induced meningiomaの報告は300例近く認められている8).今回頭蓋咽頭腫照射療法2年後に発生した髄膜腫の1小児例を組織学的,免疫組織化学的,電顕的及びその増殖能に関し検索したので報告する.

滑車神経鞘腫の2例

著者: 阿部琢巳 ,   岩田隆信 ,   嶋津基彦 ,   飯田昌孝 ,   泉山仁 ,   松本清 ,   水谷徹 ,   田中洋 ,   有賀徹

ページ範囲:P.371 - P.375

I.緒言
 頭蓋内神経鞘腫が聴神経あるいは三叉神経以外を発生母地とすることは珍しい.なかでも滑車神経単独に発生した神経鞘腫は極めて稀である.最近われわれはVon Recklinghausen氏病に合併しない滑車神経鞘腫の2例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

胸髄前方病変に対する胸椎後方進入前方除圧法の経験—その利点,適応,安全な術操作,支持性の獲得について

著者: 西浦司 ,   萩原直司 ,   正岡哲也 ,   宮田伊知郎 ,   石光宏 ,   原田泰弘

ページ範囲:P.377 - P.382

I.はじめに
 胸椎脊椎管前方病変に対する後方進入前方除圧法3,6)は,胸椎後方より進入することにより,従来の前方進入法にはない利点を有する.一方,本法は術中に脊髄を圧迫する危険性,あるいは術後の脊柱不安定性の出現などといった問題をかかえており,その適応は熟慮されるべきである.われわれは胸椎脊椎管前方病変によりmyelopathyをきたした3症例に対し本法を行い良好な結果を得た.本稿ではこの3症例の経験をもとに,安全な術中操作,術後の脊椎安定性の問題および本法の適応について検討した.

脳室穿破をきたし死亡した基底核部脳膿瘍の1例

著者: 橋詰顕 ,   児玉安紀 ,   堀田卓宏 ,   勇木清 ,   谷口栄治 ,   黒木一彦 ,   山根哲実 ,   片山正一 ,   飯田幸治

ページ範囲:P.383 - P.386

I.はじめに
 脳膿瘍は,CT・MRIの導入により診断能が向上したことに加え,これらによる脳膿瘍の厳重な経時的管理が可能となったことや,起因菌の検出能の進歩によって的確な抗生剤の使用ができるようになったことなどにより,非外科的な治療のみで完治する例が多数報告されている8).しかし,脳深部に発生した脳膿瘍は脳室穿破の危険があり,その予後は必ずしも良好ではない1).今回われわれは基底核部に発生し,2度の脳室穿破をきたし死亡した症例を経験したのでその剖検所見も併せ検討し報告する.

側頭骨錐体部類上皮腫の1例

著者: 佐藤光夫 ,   近藤明恵 ,   田辺英紀 ,   松浦伸樹 ,   長谷川浩一 ,   沈正樹 ,   斉木雅章

ページ範囲:P.387 - P.391

I.はじめに
 Epidermoidは全中枢神経系腫瘍の約1%を占める13)が,硬膜外に発生するdiploic epidermoidの頻度はさらに低く,なかでも側頭骨錐体部のdiploic epidermoidは極めて稀とされる6,8,10,14,19)
 最近,われわれは突発性難聴にて発症した右側頭骨錐体部のdiploic epidermoidの興味ある1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

報告記

第10回国際脳腫瘍研究・治療カンファランス(The Tenth International Conference on Brain Tumor Research and Therapy)印象記

著者: 永井政勝

ページ範囲:P.392 - P.393

 2年毎に開催されるこの会も第10回を迎えた.ヨーロッパで開かれるのは1989年のZermatt以来2度目で,今回はNorwayのStalheimという小邑で行われた.本来フィヨルド観光の基地となるホテルが断崖の上に建てられており,周辺は一望の岩山で(写真1),買い物の出来る町までバスで50分というところである.このホテルで1993年9月6日から9日まで文字どうり罐詰めとなり,60題の口演発表と約100題のポスター展示によっていつものこのカンファランスにおけると同様,hot discussionが繰り広げられたのである.参加者は全体で200人足らずで,日本からは阿部教授(北大),田渕教授(佐賀医大),松谷助教授(東大),久保助教授(女子医大),筆者の他は若手の研究者約10名の参加があり,若い方々の活躍ぶりが目立った.
 第1日目は夕刻から始まり,最初のセッションは悪性脳腫瘍のepidemiologyであった.地元NorwayとSwedenからの報告で,大筋で他の欧米諸国や日本の統計とのへだたりはなかった.ただ,低周波電磁場の存在下での労働者に脳腫瘍発生の頻度が高い可能性があるという指摘が注目を引いた.

基本情報

Neurological Surgery 脳神経外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1251

印刷版ISSN 0301-2603

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