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研究
破裂脳動脈瘤によるクモ膜下出血後遅発性脳血管攣縮のIA-DSAを用いた脳血管写と脳循環時間による評価
著者: 岡田芳和1 島健1 西田正博1 山根冠児1 沖田進司1 畠山尚志1 吉田哲2 直江康孝2 志賀尚子2
所属機関: 1中国労災病院脳神経外科 2中国労災病院救急部
ページ範囲:P.439 - P.445
文献購入ページに移動クモ膜下出血後の遅発性脳血管攣縮(以下vasospasmと略す)の病態に関しては多くの基礎的並びに臨床的研究がある.このvasospasmの評価方法としては脳血管写による形態学的変化の把握が基礎となってきた4,14,17).そして,その判定に種々の分類が考案されてきたが主観的要素が大きく問題を残している.この点を解決するためCTスキャンによるクモ膜下出血の量と広がりの定量化,脳血流量や頭蓋内圧測定等の補助手段が導入され,vasospasmが症候群となり,さらに脳梗塞が生じるような状況に進展するか否かに関して多くの報告がなされている3,5-7,15,17,19,20).これらのことからもvasospasmの病態検討には脳血管写による病的攣縮血管の把握と脳循環動態を明らかにする生理学的parameterを同時に得る方法が重要と考えられる.
今回,著者らはIA-DSA(動注によるDigital Subtrac—tion Angiography)を用いた頸動脈写によりvasospasmの形態学的検査と同時に脳循環時間という生理学的pa—rameterを算出し,比較検討したので報告する.
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