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読者からの手紙
Nifedipine Capsule(Adalat)をMarkerとしたMRによる円蓋部開頭中心の決定の試み
著者: 須賀俊博1 吉岡邦浩2 菊池憲一2
所属機関: 1釜石市民病院脳神経外科 2せいてつ記念病院放射線科
ページ範囲:P.499 - P.499
文献購入ページに移動われわれは,脳外科で降圧剤として頻用され,入手が容易なNifedipine capsule(Adalat)をmarkerとしたMRによる開頭中心の決定を試み,満足すべき結果を得ている.油性製剤であるNifedipine capsuleは,溶媒としてのグリセリンがその内容の主成分で,これがT1強調像で高信号に描出される原因である.大きさも10mg剤が17mm×7mm,5mg剤が9mm×6.5mmと,mar—kerとしても適切と思われる.通常,剃毛後,CTや血管造影での病変部位の計測を参考に,開頭中心と推定される部位にNifedipine capsuleをテープにて接着し,MRによる水平断・矢状断・冠状断を撮影して,そのずれを計算しながら,Nifedipine capsuleの位置を修正し,再撮影を繰り返すことにより,3次元的に開頭中心を決定し,その部位をマジックでmarkingして終了する.開頭の大きさは,病変の種類や術者の考え方で異なってくる.最近の脳腫瘍3例(傍矢状静脈洞部髄膜腫1例,頭頂葉転移性脳腫瘍1例,頭頂葉神経膠腫1例)いずれも,markerとしてのNifedipine capsuleの描出は満足すべき結果であった.Fig.1に頭頂葉転移性脳腫瘍の1例を示す.必要最小限の範囲の開頭が可能となり,脳表面に変化のない場合でも,開頭中心と腫瘍中心の一致を利用し,正確な脳表の切開も可能となった.特に頭頂部の病変に有効と思われた.手術時間の短縮とともに術者の心理的面への好影響も大きい.現在胸髄部など,脊髄病変への応用を検討中である.
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