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読者からの手紙
脳内移植と遣伝子治療
著者: 石田昭彦1
所属機関: 1琉球大学脳神経外科
ページ範囲:P.598 - P.598
文献購入ページに移動われわれは新たな移植組織として遣伝子導入細胞の研究に取り組んでいる,皮膚線維芽細胞を採取し,遣伝子操作を加え,catecholamine産生細胞を作り出し,副腎や胎児組織と同様に脳内に移植しようというものである.自己の皮膚を用いるため免疫拒絶反応や倫理的問題は解決される.また線維芽細胞は容易に大量培養・保存できるため,必要時に必要量供給することができる.遣伝子操作により産生量の調節も可能である.理論的には理想的な移植細胞ができる.本年1月,新潟大学医学部の倫理委員会において国内初の遣伝子治療の臨床応用にゴーサインが出された.脳神経外科の領域でも遣伝子治療が行われる日が近いであろう.われわれの研究室でも“世界で最初の遣伝子導入細胞を用いたParkinson病の治療”を目指し,脳内移植と遣伝子治療の研究に励んでいる.
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