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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科22巻7号

1994年07月発行

文献概要

読者からの手紙

フルナリジン療法の特長とその向上策

著者: 藤田稠清1

所属機関: 1兵庫県立姫路循環器病センター脳神経外科

ページ範囲:P.694 - P.694

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 本誌掲載論文「くも膜下出血後の症候性脳血管攣縮に対する大量ステロイドの使用経験」(脳外22:17-22,1994)の考察に,baseに使用されたフルナリジン療法が“血腫除去に消極的であったためか,43.8%に症状の出現をみた”と書かれているので,この点などについて述べたい.ここに言うようなVS期における神経症状の悪化,特に意識の低下はフルナリジン療法では重症例では程度の差はあれ必ず見られるものであり,それが2,3週で徐々に回復することを報告1)してある.フルナリジンの主作用は脳細胞の保護であるため,このような現象が起こると私は解釈している.Table 2の21例中Spasm+Ⅲの5例でみると,それらにステロイドは効果が少なかったにもかかわらず,outcome P(poor)は1例(Dは再破裂)で他はG2例,F1例であったことはフルナリジンが大きな効果を発揮したためと考える.
 この効果を更に向上させるには,低分子デキストランではなくアルブミンによるHV療法を加えること,脳槽凝血除去を積極的に行い除去しきれぬ場合は脳槽ドレナージをすること,経鼻胃チューブで入れたフルナリジンが腸へ行かぬ内に体外へ排出されないようにする2)にと,脱水にならぬよう最大の注意を払う(私は水の出納に加え,体重測定を日に1回行う3))こと,フルナリジンの腸吸収が良くなるようウルソ(胆汁酸)その他を使うこと3),フルナリジンのみでなくFET療法4,5)を行うことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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