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研究
Pineal Cyst—その画像診断と治療方針について
著者: 関谷徹治1 鈴木重晴1 岩淵隆1
所属機関: 1弘前大学脳神経外科
ページ範囲:P.715 - P.721
文献購入ページに移動松果体内の嚢胞性変化であるpineal cyst(以下,PCと略す)は,剖検例においては25-40%程度の高頻度に認められるが4,7,27),CTによってPCが診断されることは稀であった14,26,33).しかし,MRIの出現によって,明瞭な矢状断面像が得られるようになってから,PCが偶然発見される機会が増えた3,5,13,14,23,29).
ほとんどのPCは治療を要しないものであるが,時に松果体部に発生する他の病変との鑑別が問題になることがある.たとえば,松果体部には,放射線照射が有効な腫瘍が好発するが,PCを腫瘍性変化と誤認して放射線照射を行ったという報告もある11).またPCは,頭痛に対するスクリーニングの結果,偶然発見されることが多い6,26).このような時,その頭痛の原因がPCにあるかどうかを見極めることは,無用な手術侵襲を避ける意味から重要なことである.
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