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研究
虚血性脳血管障害に合併した未破裂脳動脈瘤の外科治療
著者: 小松洋治14 兵頭明夫1 能勢忠男1 小林栄喜2 目黒琴生3 小野幸雄4 杉本耕一5 石井完治6
所属機関: 1筑波大学脳神経外科 2筑波記念病院脳神経外科 3筑波メディカルセンター脳神経外科 4県西総合病院脳神経外科 5小張病院脳神経外科 6北茨城市立総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.811 - P.818
文献購入ページに移動未破裂動脈瘤の外科治療については,その安全性を強調した積極的な報告が多い3,11,12,14,26).しかし,虚血性脳血管障害を伴なう症例では,術後合併症が多くみられることが指摘され,より慎重な手術適応の判断や手術操作が要求されている1,3,4,16,17,22,26).最近のmagnetic re—sonance angiographyの普及により19,21)頻度の低下が予測されるが,未破裂瘤のかなりの部分は,虚血性脳血管障害の精査を目的とした血管撮影で診断されることを考慮すると,このような症例での治療方針については詳細な検討が必要である.
また,未破裂瘤の自然歴についての青木らや浅利らの検討3,5)では,虚血性脳血管障害の精査で診断された瘤は,他と比較して出血を来す危険が高く,このような症例での外科治療についての検討の必要性が示されている.
われわれは,自験例の検討から,未破裂瘤の外科治療の危険因子のひとつに,虚血性脳血管障害の合併および,それを示唆する神経放射線所見の存在があることを,以前に報告した17).今回,虚血性脳血管障害合併症例について直達手術の成績を解析し,その治療方針および転帰改善のための対策などについて検討したので報告する.
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