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症例
硬膜外動静脈奇形に起因した急性頸髄硬膜外血腫の1例
著者: 高野尚治1 斎藤元良1 本告匡2 宮坂佳男2 矢田賢三3 高木宏4
所属機関: 1北里研究所メディカルセンター病院脳神経外科 2北里研究所メディカルセンター病院病理 3北里大学脳神経外科 4大和市立病院脳神経外科
ページ範囲:P.845 - P.849
文献購入ページに移動脊髄硬膜外血腫(SEDH)は比較的稀な疾患であり,そのために他の脊椎・脊髄疾患との鑑別が困難であり,緊急手術の時期を逃してしまう場合がある.現在まで本邦では30例程の報告をみるに過ぎず6),発症の早期に診断をつけ,椎弓切除による脊髄への減圧術を施行すれば麻痺の良好な改善を期待できるものであり,背部痛,根性痛を訴え急性発症した脊髄麻痺症例では本疾患を念頭に置き臨床にあたりたい.われわれは,頸髄硬膜外転移性腫瘍を疑われ入院した患者で,MRIにて頸髄硬膜外血腫を診断し,発症後12時間で手術を行い良好な結果を得た症例を経験したので,考察を加え報告する.
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