文献詳細
文献概要
症例
多発性嚢胞腎を合併し,他部位に再発した脳動脈瘤の1例
著者: 鶴田健一1 笠井直人2 片山成二3
所属機関: 1親和会共立病院神経内科 2沖縄赤十字病院脳神経外科 3健和会大手町病院脳神経外科
ページ範囲:P.877 - P.880
文献購入ページに移動多発性嚢胞腎(以下PCK)は,しばしば肝,膵,肺,脾など全身諸臓器に嚢胞を合併する遺伝傾向の強い疾患である.一方,脳動脈瘤とPCKの合併は,1901年のBoreliusの報告3)以来,欧米ではかなり多数の報告がみられ,その合併頻度の高いことが知られている2,4,22).今回われわれは,PCKの既往のある患者で破裂脳動脈瘤の手術後約3年を経過して再びくも膜下出血で発症し,初回手術時とは異なった部位に新たな脳動脈瘤の出現をみた症例を経験した.脳動脈瘤の発生,再発を考察する上で興味ある症例と思われるので若干の文献的考察を加えて報告する.
掲載誌情報